AIとさぬきうどん ～未来への一杯～
AIが提案した「さぬきうどん次世代出汁」が起こした珍事。
うどん県の某企業は、「時代は常に進化する！」というスローガンのもと、AIにうどん出汁の未来を託しました。
世界中の料理レシピ、栄養学、県民の過去10年分の胃袋データ、Z世代の味の好みを分析させ、導き出された『次世代出汁』の材料は…。
【伝統と革新のフュージョン出汁】
●香川県伊吹島産 伊吹いりこ
●北海道利尻産 肉厚昆布
●鹿児島県枕崎産 本枯節
●高知県土佐清水等 雑節
◎（New！）高級トリュフオイル
・[AIの解説]：「高級感」と「フュージョン」の表現に不可欠。SNS映えと客単価向上に貢献。
◎（New！）香川県産オリーブの葉（乾燥・微粉末）
・[AIの解説]：植物由来のコクと、香川の地域性をアピール。抗酸化作用で健康志向のトレンドに乗る。
試作品がうどん店で提供されることとなり、当初、次世代出汁は「お洒落な香りがする！」と話題になりました。
しかし、数日後。お店には客からクレームが殺到したそうで、、、
「なんか、うどんから『オシャレな泥の匂い』がするんですけど。」
「食べたあと、口の中に『高級な化粧品』の味が残る…これ、食うもん？塗るもん？」
常連客からも厳しい一言が。
「わしは、イリコの潮の香りがええんじゃ！土の香りはいらん！」
AIは、トリュフやオリーブの持つ「うま味成分」と「抗酸化作用」だけを見て、「香川の風土」や「出汁の素朴さ」
というロジックだけを見て、AIには理解不能な「文化的な慣習」を完璧に無視したのです。
この失敗から、AIは「さぬきうどんは『進化』より『不変』を愛する」という、世界中のどこにも記載されていない、
最も重要なうどん県独自のローカルルールを学習することになったのでした。
「AIよ、さぬきうどんはアートではない。ソウルフードなのだ！」
Y.K
